ミュージカル「エビータ」レビュー:谷原志音の魅力と感動の舞台

ミュージカル「エビータ」のチケットを流通センターから手に入れました。S席15列で14,000円でしたが、公演日の3日前には正面5列目の優良チケットが12,500円で売りに出ていたのを見て、少し悔しい気持ちが残りました。

もともとチケピュアでペア売りされていたものを、流通センターで1枚13,000円だったら必ず売れるからと説得してバラ売りしてもらった経緯があったため、自分の座る席に申し訳ない気持ちもあります。

ミュージカル「エビータ」の魅力

「エビータ」は、貧しい農村の私生児として生まれたエビータが、大統領夫人になり権勢を振るうまでの波乱万丈な人生を描いたミュージカルです。いくつもの男性と関係を持ち、それを踏み台にしてのし上がっていくエビータの姿は、観客にとって頼もしくもあり、胸を打つものがあります。しかし、観客の感情移入を誘うためには、エビータ役の谷原志音に女性としての圧倒的な魅力が求められます。

ソウル芸術大学の声楽科を卒業した谷原志音は、終始気品ある雰囲気で、容姿も歌声も稀に見る美しさでした。彼女のパフォーマンスは素晴らしかったものの、あと身長が10センチ高ければ、さらに完璧だったと感じました。この芝居は、少しの欠点でも嘘臭く見えてしまうほど、主役の完成度が求められます。

エビータの生涯とその影響力

エビータは、大統領夫人として富裕層から資産を奪い、貧しい人々に分配することで、民衆から聖女として崇められる存在となりました。演出を手掛けた故浅利慶太は、共に共産党の活動をしていて自殺した妹への想いをエビータに託しているのかもしれません。

印象に残った場面

特に印象に残った場面は、冒頭にエビータの棺が運ばれているシーンです。「こいつはサーカス」としてエビータの一生の是非を問いかけるチェ・ゲバラの歌は、観客の心に強く響きました。

また、有名なエビータが台上で高らかに歌う「共にいてアルゼンチーナ」のメロディは、聴くだけで胸が熱くなるほど感動的です。

紙幣を貧しい民衆にばら撒きながら歌う「金はでていく湯水のように」のメロディも爽快で、金なんか木の葉のごとく軽いという気分にさせます。

主役の重要性

この芝居は他が100点でもエビータ役の女優が50点なら総合点も50点になるほど、主役の魅力にすべてがかかっていると感じました。

以前、三島由紀夫追悼公演で「薔薇と海賊」を観に行ったことがあります。障害者が憧れる女性の役を、三島と親交の厚かった水原八重子が60の齢で熱演していて違和感を覚えたことがあります。史実のエビータの全盛期が28歳とすると、それに近い年齢の女優であって欲しいと考えていました。まさか浅利慶太の奥さんであった野村玲子ではないかと不安を抱いていましたが、谷原志音でまだ良かったと思います。また今度、エビータの役者が変わる時にでも観てみたいです。

過去の記事からのリライト

この内容は、以前の記事をリライトしたものです。新しい視点と情報を加えて、より魅力的に仕上げました。

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