陸前高田市の津波で、父親を亡くした娘の今は……

ツヴァイ新宿店の出会いのセッティングサポートで30分間、31歳の土地家屋調査士の女性と話をすることになった。

入ってくるなり、オシャレには無縁の印象を受けた。顔色も悪く、髪はボサボサで、目つきだけは常に鋭く、怖いと思った。とにかく敬意ある質問をしまくって、相手に話してもらうようにした。

ボランティアをしてきて正義感は強いと自負していると自己紹介文にあったので、どんなボランティアをしたか聞くと、乞食が街角で立って販売している雑誌「Big Issue」の支援というのを聞いた。新宿駅ホームレスを支援するイギリスの活動から始まった試みらしい。西口でボロボロの服を着た乞食が、200円で雑誌を売っていた光景を思い浮かべた。今でも時々、上野公園の炊き出しに行くことがあるという。乞食に対する執着はどこからきたのだろう。繊細なのか、社会への正義感の表れか?

神奈川県の平塚育ちで、大学進学を機に、相模原に引っ越したというから、両親は一人っ子の彼女が可愛くてしょうがないのだろう。ツヴァイも母親が心配したから入っていると一言口にした。両親の言いつけは、とにかく守ろうとするのは、感謝の表れで微笑ましい。学生時代にもっと勉強をしておけば良かったと後悔しているそうで、今、それを取り返すべく、英語を勉強しているそうだ。話し方がいつも興奮気味で唾を飛ばしそうになるぐらいなので、こちらはタジタジとなる。

帰りがけに、連絡先はどうしますか? と聞くと、名刺を渡された。今月は予定がいっぱいで無理だけど、来月は、多摩センター駅のCAFEあたりでお茶でもしましょうかと話してくれた。好印象なのかな? 名刺には、会社の名前と、本人の有している資格である司法書士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーが明記されている。

駅まで歩いたけど、あまり気乗りしない姿は、相手に伝わるようだ。こういう気持ちには、いくら強そうに肝が据わっている姿でいても、女性は敏感だなと思う。愛に対する鋭さというものへの嗅覚だろう。

帰りにソープランドに行った。そこで会った女性は、日本語の話し方がぎこちなくて、日本離れした綺麗さがありますけど、台湾や韓国の方ですか? と聞くと、純粋な日本人ですと笑顔で応える。ホームページの店長のコメントは汚れない抜群の透明感と書かれていたが、わかる気がする。純粋な少女のような笑い方をする。幼い無垢な少女の笑顔のようだ。

岩手県出身で、津波に巻き込まれて父親を亡くしていた。引き潮が家屋や街をさらっていく様子を高台から眺めていたことが、いまだに忘れられないそうだ。当時、ショックで2週間風呂に入れず困ったそうだ。陸前高田市の公民館で、多くの棺が並んでいる中から、父親を見つけた。手足は無事で顔だけが水膨れをしている姿だった。きっと、彼女の少女のような笑顔は、いつか帰ってくる父親を迎えようとして記録されたものだろう。

同じ経験をしていない私には、本当の意味で彼女と打ち解けあうことはできないのだ。

気持ちいいと異常なほど興奮して身体を震わせる嬢を私は初めてみた。心の傷を優しく包むものが私の汚れた心、汚れた愛にはあるのか?

帰りがけ北海道旅行のお土産を渡された。

ありがとうございました。

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大日如来参上のブログへようこそ。ここでは、性の本質、結縁の道、聖地巡礼、社会の問題、舞台や映画のレビュー、そして智慧の書など、多様なテーマを通じて、内なる美と智慧を探求します。
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