
新宿の懐石料理店ランキングで常にトップを争う『板前心 菊うら』に、ついに行ってきました!食べログ懐石料理部門で堂々2位を誇る名店だけに、扉を開ける前から期待感が最高潮です。
暖簾(のれん)をくぐると、まるで職人たちのショーケースのような空間が広がります。ガラス張りの厨房越しに見えるのは、細目にカール髭という一風変わった風貌の板長らしき人物。その存在感はまさに「鉄拳宰相ビスマルク」とも表現できる迫力で、瞬時に“ここはただ者ではない”と伝わってきます。
鮮魚の調理に精通した職人たちが、それぞれ蒸し・切り・盛り付けを分担しながら連携プレイを披露する姿は必見。工場のような効率の良さに感服しつつも、一人の新人らしき若い職人が不器用に手間取る様子が印象的でした。ベテランが少し苛立ちをこらえる場面もあり、職人社会ならではの厳しさを感じます。
今回は懐石のコースをオーダー。確かに魚を中心としたメニューなので全体のボリュームは控えめですが、350円追加でほかほかの白米を頼めるのがありがたい。シンプルながら、手間ひまかけた鮮魚料理はさすがのクオリティで、スーパーで魚を扱う私としては、これがいかに手間のかかる仕事なのか想像するだけで感心しきりです。食べログ2位の実力を存分に実感できました。
食事中、ふと耳に入った隣のテーブルの会話。50代くらいのグループの女性がヨーロッパ旅行の自慢話をしていて、自分が海外へ行ったことのない身としてはちょっと羨ましくもなります。さらに、その斜め奥には、やけに親しげな男女が楽しそうに会話をしていて、こちらも勝手に妄想が膨らむ場面も。懐石料理店の落ち着いた雰囲気だからこそ、客同士の人間模様がいっそう印象深く映るのかもしれません。
コースを堪能して会計を済ませると、店主らしきカール髭の男性が店の外まで見送りに来てくれました。その姿からはまさに“おもてなしの心”が伝わってきて、こちらも気持ちよく店を後にできるのが嬉しいポイント。仕事とはいえ、この丁寧さこそが『板前心 菊うら』が多くの支持を得る理由のひとつなのだと実感しました。
今年44歳を迎え、年齢の重みを感じるときもありますが、この店で味わった職人気質や人間観察の面白さは、自分にとって大きな刺激になりました。新宿で美味しい懐石を堪能したいなら、ぜひ一度訪れてみるべき一軒だと思います。期待を裏切らない味わいと、きめ細やかなサービスにきっと感動するはずです。


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