婚活 立川時計台どうなることやら!

互いにSNSで連絡先を交換したら、いよいよ初対面ということになる。この度は、同じく西東京の住まいということで、東京23区の方で待ち合わせではない。立川なので、家からもそんなに遠くないし、気軽に会える。立川の時計台に着いたのは、午後1時である。1時間後に彼女は来るのだろう。顔が間延びした写真だったから容姿は期待していない。

茶店を探しに、グランディオの7階のCAFEの店はどれもいっぱいで、入る場所がない。8階はレストラン街であるが、空いている店があった。ケーキとパスタの店である。ここに誘導することに決めた。

茶店よりも、準レストランの方がテーブルが広いし、人も入っていないから話しやすいのだ。以前、サイゼリヤで話した時は、数時間一緒にいても、店内ものんびりしているようで退屈しなかった。

午後2時の10分前に時計台に行くと、スマートで知的な感じの彼女が立っていた。写真よりも全然綺麗である。文学が好きというだけあって、目が鋭く幾分内省的な、目の半分は外界よりも内界を凝視しているような、いわゆる知的な澄み方をしていた。

声をかけると、ここにいる時間が不本意であるとでもいうように渋い顔をする。先ほど見たお店を勧めると、すぐに従って着いてくる。満面の笑みで、愛想がいいというのは、ほとんどない。女性にとって婚活で呼び出されて会うというだけでも、私は売れ残りではないという虚栄心がついてくるものだろうし、男性だって、負の気持ちが無いといえば嘘になる。

店の待合席に並んで座った。話始めてすぐ、彼女の口臭が気になった。緊張で口が乾いたことで、臭いを発しているのかもしれない。ソープランドで、口臭がきついことがあってキスを避けたことがあった。これだけで、セックスできないと嘆くのは、ずいぶんと私もわがままに育ったものだ。

テーブルについて店員にオーダーをする時も、飲み物だけでいいと意固地になっていた。ケーキセット1000円からしか頼めないということを知り、観念したのか、それを二人で頼むことにした。

三島由紀夫全集をすべて読んだことがあると言うと、彼女は初めて笑った。そして、三島文学の舞台を旅した話をしばらくすると、自然と彼女は心を開いてくるようだ。彼女は銀行員の父親の転勤のたびに、転校をよぎなくされたそうで、小学校は沖縄、中学・高校は茨城で過ごした。母親の実家が長崎なので、長崎のことについても詳しい。卒論でキャンバス言葉を取り上げたそうだから、安部公房の話をした。

なわばり構造がなぜできるかということ、人間でも学者の中ではセクトいう派閥ができる。オリンピックは民族主義の宣伝で、勝てば自国の国旗が上る。人間は動物と違って言語を獲得したのだから、国家という縄張りの形態を超克できるのではないかということを、文学の世界で一生懸命やった人だから、読んでいるといいかもしれないと話をすると喜んでいた。

彼女はエンタメが駄目で、生粋の文学好きだから、近代の文学者、谷崎、川端、夏目漱石、芥川、森鴎外等の出たナンバースクールの遺品や遺物に触れることを一人旅の主題としている。今度、11月に東大の駒場記念館に行くことにした。どうなることやら!

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