劇団四季『アナと雪の女王』を観た後は、浅草に散歩をしに行く。

新しい劇場に変わり、設備を良くしたのだろう。アナ雪の魔法が舞台に再現されていてすごいと思った。どういう技術を用いているのだろうというぐらい、舞台と映像をミックスさせてつかっているのだろうけど、どこからが現物で、どこからがCGなのかわからなくなった。やはりハイライトは、前半の終わりに歌う『ありのままで』だろう。劇団四季の母音発声法によるところもあり、歌詞がハッキリと聞こえてきて、婚活で出会った30人以上から冷たく振られて、その度に心が氷のようになっていたことを思い出した。その度に決意した気持ちを、ハッキリ歌っている。この歌は愛の歌なのだろう。

女性の心の奥深くには、氷のような無慈悲があるということを、太宰の小説家で読んだことがあったけれど、婚活の女性は皆そうだった。最後は、詐欺師の女性と何度もデートをして、辛い思いをして、アナ雪の物語に感動できるようになれた。

少しも寒くないわぁとビブラートが長く続き、ふっと切れるところで、舞台の雪の女王が光を放ち、舞台の照明が落ちる演出は、観客の度肝を抜くぐらいの力強い演出であった。姉妹の物語であり、愛することはどういうことなのか? 愛とは何か? という答えを探し求めるということ。愛の専門家である女性を対象とした物語なのだろう。女性の女性による女性のための物語という印象を受けた。

男性にばかり囲まれて育った世界にアナ雪はなく、その世界を理解できなくても、やはり憧れるのは永遠に女性的なもの、我を天に誘う。

新世界ビルから、三島由紀夫の百万円煎餅という作品が出来た。しかし、もう浅草6区にあった新世界は終わりを告げていた。この建物の屋上は遊園地だったのだろう。きっと、三島のことだから、事物を正確に描いていることだろう。浅草は下町の伝統を感じる。若い頃の氷川が看板にあるけれど、この頃から大分、時は過ぎたものだ。

焼肉屋の隣に動物病院。食欲と愛護欲、人間の都合の良い心模様が交錯している。

観光名所の雷門、浅草駅から歩いて5分もしないところにあるなんて。一度は来てみるものだ。金の糞もすぐ近くに見える。

太宰治が飲んだ電気ブランというアルコール含有率30%の酒があるのは神谷バーである。この建物は、太宰の頃から変わっていない。神谷バーの文字が、昔の看板では逆の順序で書かれている。

太宰の世界に度々登場する浅草。今とは随分と変わってしまっただろうけど、会ってみたいと思えてくる。

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大日如来参上のブログへようこそ。ここでは、性の本質、結縁の道、聖地巡礼、社会の問題、舞台や映画のレビュー、そして智慧の書など、多様なテーマを通じて、内なる美と智慧を探求します。
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