マスク越しの微笑み:青山学院出身の彼女との出会い

 

青山学院大学出身の派遣社員の女性と会ってきた。当日、彼女は体調が悪いとのことで会えるかどうか不安だったが、時間通りに現れた。マスクで顔がほとんど隠れており、目だけが見える。私も気を使ってマスクを着け、「コロナが流行っているからね」と声をかけると、彼女は小さな声で「そうだね」と答えた。

多摩境駅から歩いて5分ほどの「さかい珈琲店」に入った。高級ホテルのラウンジのように落ち着いた雰囲気で、テーブル間の距離も十分に取られていた。彼女が席についてメニューを見ながらマスクを外すと、写真通りの美人だったが、表情には明るさがなかった。

私の疑問は、青山学院を卒業して派遣社員をしている彼女の人生についてだった。

「青山学院出身なんてすごいですね。たくさん勉強したんですか?」

「当時は大学に入りやすかったので、そんなにすごいことじゃないですよ」と、彼女は笑顔で謙遜した。すると、彼女は自分の過去について話し始めた。

在学中は友達とバンド活動をしており、卒業後も続けていたが、25歳の時にボーカルが辞め、さらに父親が脳梗塞で亡くなったことで活動を休止。その後、運送会社でドライバーを手配する仕事に就いたが、コミュニケーションが苦手で辞め、以降は派遣の仕事を続けているという。

彼女は小さな声で話すことが多く、そのせいでコミュニケーションに困難を感じているのだろうと納得した。また、彼女には強い表現欲求があるようで、私も共感した。

婚活を始めた理由は、可愛がっていた甥が大学生になり、先に結婚されるのが辛いからだという。彼女は結婚に対して現実的な考えを持っていないようだった。

彼女は西武ライオンズのファンで、週に1度スポーツジムに通い、クラシック音楽も楽しんでいる。1時間半ほど経ったところで、彼女が立ち上がり、「行きますか?」と言った。私は今回も駄目だなと思った。

駅に向かう途中、彼女が突然「八王子駅にもこういうカフェがあるかな?」と聞いてきた。彼女は祖母とカフェに入ろうとしたが満席で入れなかったことを思い出し、笑顔を見せた。その笑顔を見て、彼女が愛情を受けて育ったことを感じ、信頼できると思った。

多摩境駅まで来てくれた彼女に感謝の気持ちを込めて、「こんな綺麗で美人な方に時間を頂いて、申し訳ない気持ちです」と言うと、彼女はまた笑顔を見せた。別れの言葉はいつも不真面目に聞こえるものだが、この時ばかりは心からの言葉だった。

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