止まらない時間の中で──40歳独身貴族が見つめる「過ぎ去るもの」とは

太宰治の『人間失格』にこんな言葉がありました。

「ただ、一さいは過ぎて行きます。自分がいままで阿鼻叫喚で生きて来た所謂『人間』の世界に於いて、たった一つ、真理らしく思われたのは、それだけでした。ただ、一さいは過ぎて行きます。」

すべては過ぎ去っていく──苦しみも、喜びも、悲しみも、楽しさも、時の流れに委ねられ、大きな時代のうねりに巻き込まれて、やがては消えていく。ただ、自分は「何かの歯車にならなければ」という焦燥感が拭えません。それが「人間」として生きることの苦しさなのでしょうか。本能に従う動物のように生きられれば、こんなに苦しむことはなかったのかもしれない…。

そんな思いの中で、三島由紀夫の『春の雪』の一節が心に刺さります。

「様式の中に住んでいる人間には、その様式が決して目に見えないんだ。だから俺たちも何かの様式に包まれているにちがいないんだよ。金魚が金魚鉢の中に住んでいることを自分でも知らないように。」

私たちの生きる「今」も、時代の様式に包まれています。その様式の中で悩み、喜び、抗うことが、人間である証拠かもしれません。未来から見れば、今の「真実」もまるで違った見方をされるのかもしれない──だからこそ、私は今この瞬間をどう生きるべきなのか、問い続けています。

自分の価値を見つけるために

40歳、独身貴族の私は、時折「何か大きなことを成し遂げたい」という思いに駆られます。まだ健康で、子供もいない。だからこそ、自分の命を何か意味のあることに捧げたい。しかし、同時に過去の初恋の女性の存在が頭をよぎり、彼女との記憶が私を暗い感情へと導きます。それが果たして正しいのか、間違っているのか、そんなことすらわからない。ただ、時代のうねりに抗いながら生き続けるしかないのだと自分に言い聞かせています。

この間、TBSの三島由紀夫特集を見ました。彼の天才的なオーラが画面から溢れ出し、私の心を揺さぶりました。特に、5分22秒、6分12秒、23分25秒の彼の姿には圧倒されます。ぜひご覧ください。

三島由紀夫特集を観る

人は、時代の歯車の中で生きています。誰しも、自分の「今」を精一杯生きるしかないのです。あなたの「今」はどうですか?私と一緒に、この流れ行く時間の中で、もがいてみませんか?

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この記事を書いた人

大日如来参上のブログへようこそ。ここでは、性の本質、結縁の道、聖地巡礼、社会の問題、舞台や映画のレビュー、そして智慧の書など、多様なテーマを通じて、内なる美と智慧を探求します。
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